発達障害で2級認定
発達障害の人で、就労している場合であっても障害等級2級と認定される事例があります。
どのような事例だったのでしょうか。
申請者の状況
★アスペルガー症候群で、障害者雇用として単純作業に従事。年収2,500,000円程度で8年以上勤務。独り暮らし。
★自発的にできること(単純かつ反復的、習慣的な事に限る)
コンビニで弁当を購入し、食事をとること
薬を飲むこと
預金を引出し一定の金額の範囲内で買い物をすること
毎日決まった経路で通勤すること
★自発・適正にできない事
掃除・洗濯
入浴・着替え(両親の指導が必要)
1人での外出(毎日の通勤を除く)
毎月1回の通院(付き添いが必要)
その他社会生活に必要な諸手続き
通常と異なる事態に遭遇しても周囲に助けを求められない
通常2級の基準としてあるのが「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」であって、「必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のもの」と言うように示されているので、この事例の場合8年以上も就労して収入を得ているわけですから、この基準に適合しないとも受け取れるのです。
言い換えれば、その人の環境・状況によって症状はある程度コントロールできたり、ある一定の環境になると症状が出なくなったりするものであると認識されていることによるものです。
なぜ障害等級2級と認められたのか
発達障害については個別の基準があり、日常生活能力等の判定にあたっては「社会的な適合性の程度において判断するもの」としています。また、「就労していることをもって直ちに日常生活能力が向上したものと捉えるべきではない」などの理由でもって障害等級2級を認めています。
就労できるから直ちに障害等級に該当しないというより、その病状によって障害に該当する可能性があるということですね。
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オフィス キタ
特定社会保険労務士・特定行政書士
北 健夫
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