障害者手帳の等級との違いは?
障害年金の障害等級と、「障害者手帳」の障害等級に違いはあるのでしょうか?
答えは、両者は全く違うものです。
これはその障害等級を定めている法令が別々のものだからです。
一般的にいうところの障害者手帳には「身体障害者手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」、「療育手帳」の3種類があります。
障害者手帳の交付を受けているからといって、そのこと自体が障害年金の等級認定に何らかの影響を及ぼすという事はありません(原則的にです)。
それぞれの手帳について簡単に確認してみます。
身体障害者手帳について
身体障害者手帳は、身体障害者福祉法に基づいています。
この身体障害者福祉法に定める障害の状態にあるときに、それに合わせた障害等級に該当します。
聴力障害、視力障害と視野障害については、障害年金と認定基準が対応しています。
身体障害者手帳上で聴力障害で1級であれば、障害年金も1級の状態にあるというように2つの制度間で障害の状態と障害の等級が共通する部分もあります。
しかしその他の傷害はほとんどこういった対応はありません。
例えば、人工透析は身体障害者手帳1級ですが、障害年金では2級です。
精神障害者保健福祉手帳について
精神障害者保健福祉手帳は、精神保健福祉法に基づいています。
この精神保健福祉法に定める障害等級は1級から3級まであります。
障害年金と似ていますよね。ですから、同じものと思われることもあるのですが、これも障害年金と直接の関係はありません。
障害年金では神経症や人格障害は原則的に対象外とされています。しかし、精神障害者保健福祉手帳の場合は、神経症や人格障害は対象になっています。ですから人格障害に関連する障害として手帳上2級となっていても、障害年金では障害等級に該当しないということになってしまいます。
療育手帳について
療育手帳は、知的障害者に交付されるもので、法的な規定に基づかない手帳であるため、基準や内容は都道府県によって異なります。
就学期までに療育手帳の交付を受けている場合は、一般的に知的障害として確認を受けてきたと判断できるので、就学期より後に手帳の交付を受けた場合と比較すると障害年金の認定可能性はある程度高まるといえます。
以上、いわゆる障害者手帳と障害年金の等級の違いについてざっくりとご紹介しました。
障害者手帳で〇級だから、障害年金でも〇級だろうと決めてしまわずにしっかりと確認していきたいですね。
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特定社会保険労務士・特定行政書士
北 健夫
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