神経症で障害年金は受給できる?

神経症で障害年金は受給できるのでしょうか?

神経症は原則として障害年金の対象とはなりません。

(あくまで「原則として」です。)

「自己治癒可能性」と「疾病利得」 

神経症は原則として障害年金の対象とならないことに明確な法的根拠はありません。

 国が神経症を不支給とする裁決理由として挙げているのが「自己治癒可能性」と「疾病利得」です。

 神経症の場合はその患者はその疾患を認識しそれに対応した対応を取ることが可能であることです(自己治癒可能性)。

また、症状が現れることによって引き起こされる患者本人は心理的現実的満足を得ることがあります(このことを疾病利得といいます)。

 言い換えれば、その人の環境・状況によって症状はある程度コントロールできたり、ある一定の環境になると症状が出なくなったりするものであると認識されていることによるものです。

 神経症治療における臨床経験では、神経症の症状が現れることにより家族の同情を得られたり、もしくは嫌な仕事から逃れることができる保護的環境がなくなれば神経症の症状が消失することがしばしば観察されるとのことです。

単純に決めつけられない

 ただし、「その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱う。」とされています

 神経症が精神病の状態であると認められるときは障害年金の対象となります。従って、単に「神経症」というだけで障害年金の受給ができないと決め付けられるものでもないため、注意が必要です。

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北 健夫社会保険労務士・行政書士
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